いいプールには、余白がある。僕らとプールの話

プールサイドで音楽を聞いて、暑くなったらざぶんとプールへ飛び込む。スカッと目が覚めたあとぐるりと泳いだら、またプールサイドに戻って乾いたタオルの上で昼寝。夕方になる頃には水に入ったことによる心地よい疲れと、水際からもらったインスピレーションで頭はすっきり、ぐっすりと眠る。こんな週末、過ごしてみたいと思いませんか。今回インタビューするのは、そんな週末を叶えてくれるかもしれない、ABODAの代表の高島 郁夫さん(以下、高)と、ディレクターのロニー・ダンジェさん(以下、ロ)。

僕らと、マリンスポーツと

──高島さんは、もともとマリンスポーツがお好きだったとか。

高:小さい頃から泳ぐのが好きで、中学校の頃から自転車で海に行っていましたよ。海に潜ってサザエをとったり、魚をとったりして。川も好きだし、プール遊びも大好きだった。水がとにかく好きなんだよね。50歳くらいでサーフィンを始めて、最近もハワイでレジェンドと呼ばれるサーファーにレッスンしてもらったんです。波と自分の息がぴったり合って、いい波に乗れたなと思う瞬間が2回あったかな。サーフィンは、カルチャーを作った唯一のスポーツだから、そこも気に入っています。

ロ:10年前に高島さんと一緒にサーフィンに行ったことを思い出します。高島さんはトライアスロンが終わった直後。午後一番でサーフィンに行って大丈夫かななんて思っていました。「僕の方が若いから、サポートしないとな」なんて思って。けれど、結果は正反対。遠くまで泳がなければ行けなくなった時、高島さんが足につかまらせてくれて、僕を引っ張って泳いでくれたんです。なんて格好いいんだろうと思いました。

高:僕にとって、水に入ることは疲れることじゃないんですよ。四柱推命では僕は「火」の人で、だから水があると落ち着くみたい。海に入らなくても、プールサイドではよく眠れるし、波の音も好きだしね。

いいプールの条件って?

──プールサイドで昼寝、いいですね。お話を聞いていると、ここでいうプールはいわゆる日本式のレーンがあって、水泳帽をかぶって泳ぐというプールとは少し趣が違うような。

高:日本では、プールといえば学校のプールじゃない。がしがし泳ぐためのプール。西洋では、それが家の前にあったり、バカンスで訪れる場所だったり、景色の中に当たり前にあったりして、必ずしも泳ぐためのものではないんですよ。

ロ:僕はフランス生まれなんですが、泳ぐことはできても、正しいクロールができないんですよ。日本では、水泳を習うでしょう?プールで泳ぐ練習をするから、泳法を知っていて当たり前。フランスでは、プールでただエンジョイして、喜びを感じながら泳ぎを覚えていくんです。泳ぐためのレーンが決められたプールなんてないんです。

高:西洋は楽しむためのプールだよね。僕は日本のがしがし泳ぐプールも使ったりするけれど、やっぱり別物だなぁ。

──楽しむためのプール、見るためのプール。いくつかキーワードが出てきましたが、いいプールの条件があるとすれば、何でしょうか。

高:余白があること、かな。泳ぐだけじゃない場所があったり、ジャグジーなんかがあってもいいよね。寛げるカバナ(2、3人がくつろげる、カーテンなどで仕切られた空間)があってもいいし、バーがあってもいい。

ロ:テラスが大きいことも大切な要素ですよね。ただ歩いてみたり、足を水につけてリラックスしたり。レーンなんてなくてもいいから、ゆったりした大きなスペースがあるといい。

──なるほど。目的すら持たずにゆっくり過ごせるのも、西洋のプールの良さなんですね。これまでに訪れた場所で、おすすめのプールはありますか?

高:これはがしがし泳ぐ系でもあるんだけど、シドニーのAndrew (Boy) Charlton Poolっていう市民プールは良かったな。泳ぐためのプールなんだけど、ちょっと楽しむ余白もある。海水のプールだから浮くし、水が透明でめっちゃ綺麗なんですよ。泳ぎを練習するならそこですね。パリ16区のホテル・モリトールもいいですよ。プールがメインのホテルで、200年ほど続くホテルをリノベーションしている。美しいホテルです。

ロ:僕はフランスのサンラファエルにあるLES ROCHES ROUGESが好きですね。インフィニティプールの先に地中海があって、海も楽しめるプールが魅力です。カクテルをいつでも頼めるなど、サービスも充実しているのでリゾートを満喫できます。

読みたい本を一冊持って、プールサイドへ

──なんだか海外のプールが羨ましくなってきてしまいました。日本でもそういうプールの楽しみ方はあるのでしょうか?

高:あまりないよね。だから、作ろうかなと思って。

──実は、そんな噂をこの取材の前に少し聞いていたんです。計画を少し教えていただけますか?

高:プールを楽しむためのファッションやグッズや、ありとあらゆるものが揃っているひとつのブランドを作りたいなと思っています。来年の夏には、お披露目できると思います。

ロ:楽しみです。僕にとって、プールはただ水の音を聞いてリラックスできる場所。それが都心からもアクセスがいい場所にできるなんて、ね、楽しみでしょう。

高:東京から遠くない場所に作るので、週末に美しいところに行って、何もしないで、クールダウンできる場所になればいいと思います。プールって、水に入るだけで水圧にマッサージされるので、すごく健康にもいいんですよ。ただぽっかり浮いているだけでも。

──本当に。早くプールに浮いて頭を空っぽにしたい気分になってきました。最後に、おふたりにプールでのとっておきの時間の過ごし方を聞いて終わりにしたいと思います。

ロ:僕にとって、プールはリラックスするための場所。ひとりでいることを楽しんでもいいし、水があることを楽しむだけでもいい。まずは頭をからっぽにして、足を水につけてみること。そこからプールの新しい体験が始まると思います。

高:そうだね。泳ごう!と思うのではなく、読みたい本を一冊持って、ドリンクを持って、のんびりしに行くのがいいんじゃないかな。暑くなったら水に入って、また本を読んだり、寝たりするのを数回繰り返せば充実した気持ちを味わえるんだから。もっと身近にプールを感じて、気軽に訪れるのがいいんじゃないでしょうか。

──今日はお話いただき、ありがとうございます。プールサイドに出かけたような気分になれる取材でした!

今年の夏は一冊本を持って、ふらりとプールサイドへ。プールによって心も体も癒され、満たされていく、初めての体験ができるかもしれません。

聞き手:出川 光

プールサイドで音楽を聞いて、暑くなったらざぶんとプールへ飛び込む。スカッと目が覚めたあとぐるりと泳いだら、またプールサイドに戻って乾いたタオルの上で昼寝。夕方になる頃には水に入ったことによる心地よい疲れと、水際からもらったインスピレーションで頭はすっきり、ぐっすりと眠る。こんな週末、過ごしてみたいと思いませんか。今回インタビューするのは、そんな週末を叶えてくれるかもしれない、ABODAの代表の高島 郁夫さん(以下、高)と、ディレクターのロニー・ダンジェさん(以下、ロ)。

僕らと、マリンスポーツと

──高島さんは、もともとマリンスポーツがお好きだったとか。

高:小さい頃から泳ぐのが好きで、中学校の頃から自転車で海に行っていましたよ。海に潜ってサザエをとったり、魚をとったりして。川も好きだし、プール遊びも大好きだった。水がとにかく好きなんだよね。50歳くらいでサーフィンを始めて、最近もハワイでレジェンドと呼ばれるサーファーにレッスンしてもらったんです。波と自分の息がぴったり合って、いい波に乗れたなと思う瞬間が2回あったかな。サーフィンは、カルチャーを作った唯一のスポーツだから、そこも気に入っています。

ロ:10年前に高島さんと一緒にサーフィンに行ったことを思い出します。高島さんはトライアスロンが終わった直後。午後一番でサーフィンに行って大丈夫かななんて思っていました。「僕の方が若いから、サポートしないとな」なんて思って。けれど、結果は正反対。遠くまで泳がなければ行けなくなった時、高島さんが足につかまらせてくれて、僕を引っ張って泳いでくれたんです。なんて格好いいんだろうと思いました。

高:僕にとって、水に入ることは疲れることじゃないんですよ。四柱推命では僕は「火」の人で、だから水があると落ち着くみたい。海に入らなくても、プールサイドではよく眠れるし、波の音も好きだしね。

いいプールの条件って?

──プールサイドで昼寝、いいですね。お話を聞いていると、ここでいうプールはいわゆる日本式のレーンがあって、水泳帽をかぶって泳ぐというプールとは少し趣が違うような。

高:日本では、プールといえば学校のプールじゃない。がしがし泳ぐためのプール。西洋では、それが家の前にあったり、バカンスで訪れる場所だったり、景色の中に当たり前にあったりして、必ずしも泳ぐためのものではないんですよ。

ロ:僕はフランス生まれなんですが、泳ぐことはできても、正しいクロールができないんですよ。日本では、水泳を習うでしょう?プールで泳ぐ練習をするから、泳法を知っていて当たり前。フランスでは、プールでただエンジョイして、喜びを感じながら泳ぎを覚えていくんです。泳ぐためのレーンが決められたプールなんてないんです。

高:西洋は楽しむためのプールだよね。僕は日本のがしがし泳ぐプールも使ったりするけれど、やっぱり別物だなぁ。

──楽しむためのプール、見るためのプール。いくつかキーワードが出てきましたが、いいプールの条件があるとすれば、何でしょうか。

高:余白があること、かな。泳ぐだけじゃない場所があったり、ジャグジーなんかがあってもいいよね。寛げるカバナ(2、3人がくつろげる、カーテンなどで仕切られた空間)があってもいいし、バーがあってもいい。

ロ:テラスが大きいことも大切な要素ですよね。ただ歩いてみたり、足を水につけてリラックスしたり。レーンなんてなくてもいいから、ゆったりした大きなスペースがあるといい。

──なるほど。目的すら持たずにゆっくり過ごせるのも、西洋のプールの良さなんですね。これまでに訪れた場所で、おすすめのプールはありますか?

高:これはがしがし泳ぐ系でもあるんだけど、シドニーのAndrew (Boy) Charlton Poolっていう市民プールは良かったな。泳ぐためのプールなんだけど、ちょっと楽しむ余白もある。海水のプールだから浮くし、水が透明でめっちゃ綺麗なんですよ。泳ぎを練習するならそこですね。パリ16区のホテル・モリトールもいいですよ。プールがメインのホテルで、200年ほど続くホテルをリノベーションしている。美しいホテルです。

ロ:僕はフランスのサンラファエルにあるLES ROCHES ROUGESが好きですね。インフィニティプールの先に地中海があって、海も楽しめるプールが魅力です。カクテルをいつでも頼めるなど、サービスも充実しているのでリゾートを満喫できます。

読みたい本を一冊持って、プールサイドへ

──なんだか海外のプールが羨ましくなってきてしまいました。日本でもそういうプールの楽しみ方はあるのでしょうか?

高:あまりないよね。だから、作ろうかなと思って。

──実は、そんな噂をこの取材の前に少し聞いていたんです。計画を少し教えていただけますか?

高:プールを楽しむためのファッションやグッズや、ありとあらゆるものが揃っているひとつのブランドを作りたいなと思っています。来年の夏には、お披露目できると思います。

ロ:楽しみです。僕にとって、プールはただ水の音を聞いてリラックスできる場所。それが都心からもアクセスがいい場所にできるなんて、ね、楽しみでしょう。

高:東京から遠くない場所に作るので、週末に美しいところに行って、何もしないで、クールダウンできる場所になればいいと思います。プールって、水に入るだけで水圧にマッサージされるので、すごく健康にもいいんですよ。ただぽっかり浮いているだけでも。

──本当に。早くプールに浮いて頭を空っぽにしたい気分になってきました。最後に、おふたりにプールでのとっておきの時間の過ごし方を聞いて終わりにしたいと思います。

ロ:僕にとって、プールはリラックスするための場所。ひとりでいることを楽しんでもいいし、水があることを楽しむだけでもいい。まずは頭をからっぽにして、足を水につけてみること。そこからプールの新しい体験が始まると思います。

高:そうだね。泳ごう!と思うのではなく、読みたい本を一冊持って、ドリンクを持って、のんびりしに行くのがいいんじゃないかな。暑くなったら水に入って、また本を読んだり、寝たりするのを数回繰り返せば充実した気持ちを味わえるんだから。もっと身近にプールを感じて、気軽に訪れるのがいいんじゃないでしょうか。

──今日はお話いただき、ありがとうございます。プールサイドに出かけたような気分になれる取材でした!

今年の夏は一冊本を持って、ふらりとプールサイドへ。プールによって心も体も癒され、満たされていく、初めての体験ができるかもしれません。

聞き手:出川 光

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through the lens of Fumio Takashima and friends.